ゴムの試験とは?
ゴムで行う試験項目はJISに記載されていますが、ゴムが様々な用途に使われる材料だけあってその試験項目も数が多いです。
未加硫ゴムについてはムーニー・スコーチくらいしか規定されていませんが、加硫ゴムが多いんですね。
私がよくおこなっていた試験項目を挙げると以下のものになります。
- 引張試験
- 引裂試験
- 硬度試験
- 耐熱試験
- 耐寒試験
- 耐油試験
- 耐摩耗試験
- 圧縮永久ひずみ試験
- 体積固有抵抗試験
- 耐オゾン試験
やはりゴムという材料を使用する場合は伸縮性や弾力性という項目を目的にしている感じなので、物理的な性質を見る試験が多くなります。
加えて、例えば耐寒試験であれば、メジャーな試験方法としては、
- ゲーマンねじり試験
- TR試験
- 脆化試験
とメジャーな試験でも3種類はありしますし、耐摩耗試験に関しても、DIN摩耗、ピコ摩耗、アクロン摩耗etc..と様々な種類があります。
しかし一つの材料に対して上記の試験全部を見て欲しいと言うお客さんはまずいないので、そのゴム材料がどういう製品として使われるかで適宜選択していきます。
ただ上記のうち、引張試験と硬度試験に関してほぼ必ずおこなうと思ってもらって構いません。
引張試験とは?
引張試験とはプレス成型で架橋した厚さ約2mmのゴムシートを3号ダンベルというJISで規定された形状に打ち抜き、それをテンシロンやオートグラフといった機器で物理的に引っ張ってどのくらい伸びるのか? 破断するときはどのくらい力がかかっているのか? などを見るゴムの中でも最も基本的な試験です。
評価する項目としては以下になります。
- EB(破断伸び)
引っ張って破断するまでに、基準となる標線間(3号ダンベルであれば20mm)が元より何%伸びたか - TS(破断強度)
引っ張って破断した際にかかった応力(単位:MPa) - S100, S200, S300
各数字の%まで伸びたときにかかる応力
硬度試験とは?
硬度試験は以前の記事にも少し書きましたが、デュロメーターを使いそのゴムのデュロ硬度を見ます。
試験片は厚さ6mm以上でデュロメーターを押し当てた際に3秒経った後の数字を読み取ります。
JISが改訂される前は押し当てたときの瞬間値を見ており、その名残で現在でも瞬間値で判断するメーカーの方もいます。
硬度の精度の許容範囲は±3ポイント以内という感じでしょうか。
同じ配合材を同じ比率で使用し、同じ加工機で同じ手順で混練りすればまず同程度の値に収まります。
ほかにも色々と特殊試験がありますので、用途や要求に応じて適切な試験を選択できるようになりましょう。