前回、私が気に入っているRADOという腕時計ブランドについて記事を書きましたが、ある程度の腕時計好きになると「腕時計の高み」とはどんなブランドだろう? というのが気になってきます。
日本で「高級時計といえば?」と聞けば大体が「ロレックス」「オメガ」「カルティエ」など、そういう感じのブランド名が返ってくると思います。
では世界レベルでいったらどうでしょうか?
その答えが「世界3大時計ブランド」と呼ばれるものになります。
それがこちら。
- Patek Philippe(パテック フィリップ)
- Audemars Piguet(オーデマ ピゲ)
- Vacheron Constantin(ヴァシュロン コンスタンタン)
「世界5大時計ブランド」と言うときもありますが、その場合は“A. Lange & Söhne(A.ランゲ & ゾーネ)”と“Breguet(ブレゲ)”が入ってきます。
価格は当然ですが、ブランドとしての歴史と格、時計メーカーとしての技術力などを評して数ある時計ブランドの中でトップに君臨するブランドになります。
今回はその中の1つ、タイトルにあるVacheron ConstantinのSablier(サブリエ)についてメモも兼ねて書いていきます。
Vacheron Constantin(以下、VC)では過去に「コメモレーション」というモデルを販売していました。
コメモレーションについてはコメ兵さんの以下の記事にいろいろと書かれています。
ヴァシュロンコンスタンタンの世界観を理解するなら、「コメモレーション」モデルから!! ~其の一、「コメモレーション」とはどんなモデル?~
https://www.komehyo.co.jp/tokei-tsushin/article/13469
ざっくりまとめとると、1990年代~2000年代に毎年出ていた、VCの創業記念や過去(1940, 50年代頃)のモデルをオマージュしたシリーズになります。
そしてこのシリーズは日本市場向け(日本限定モデル)も出されておりました。
その中で1999年に販売されたコメモレーションシリーズの日本限定モデルが、今回のタイトルにあるSablier(サブリエ)になります。



・サイズは37mm
・白色のダイヤルにフルローマンインデックス(1~12までがローマ数字のインデックス)
・レトログラード日付表示+6時の位置にスモールディスク型曜日表示
・シースルーバック
・自動巻きキャリバー1126/1を使用(ジュネーブシール未取得)
・ケースバックに筆記体で “Sablier” の刻印あり
私が入手したのは18KPG(ピンクゴールド)モデルで、100本限定製作。
発売当時の価格は1,999,000円とのことでした。
なお、18KWG(ホワイトゴールド)モデルもあり、こちらは50本限定製作、発売当時の価格は2,200,000円とのことです。
今のVCの現行モデルの価格帯と比べると限定製作品なのにだいぶリーズナブルに感じます。
しかしこれはもう約25年前のモデルの話なので、現状の円相場や物価高騰などを加味すると、とてもこの価格では同じものは製作できないと思います。
(ジュネーブシールを取得していない、サイズが小さいというのもあるので、そこまで異常に上がるとも思いませんが……)
なお、“Sablier” とはフランスの古語で「砂時計」を意味するそうで、レトログラードの針が進んで戻って…という様が砂時計をひっくり返す動作に似ていることから付けられたそうです。
なんともお洒落な名前に付け方ですね。
さて、私がこれを購入するときはこんな限定モデルとは知らずに購入しました。
元々VCのドレスウォッチに強い憧れがあったのですが、現行モデルは昨今の物価高騰や度重なる価格改定でとても手が出なかったため「多少古くてもいいから、何か中古でいいモデルは……」という中で見つけたものでした。
(販売されていたときは “Patrimony 31 Countdown” という名前でした)
Patrimony(パトリモニー)は現在でもあるVCの定番ドレスウォッチのコレクションですし、価格的にもこれならなんとか…! という感じだったので購入しました。
しかし不思議なことに当時販売されていたときの販売店から発行された保証書の日付は1999年となっていました。
パトリモニーシリーズがVCから出たのが2004年なので、それより以前に販売されていたこの時計に何故「パトリモニー」のシリーズ名が付いているのだろうか…? と。
なお、先ほどのサブリエの諸々の情報は、たまたま某掲示板で見知らぬ親切な方から当時のカタログ資料付きで教えていただいた情報になります。
25年前に販売されたPG, WG合わせて150本しか製作されなかったものは、さすがにネットで調べても全く情報が出てこないですね……
本気で来歴を調べたかったらVC本社に問い合わせるしかなかったかと思います。
某掲示板の見知らぬ御方、本当にありがとうございました。
以下は余談になります。
先日、VCの銀座本店へ行ってきました。
何か修理依頼や点検、あるいは購入目的があって予約しないと門前払いされるのでは……と思っていましたが、どうやら予約なしでも大丈夫なようで。

見事に銀座本店の外観写真を撮り忘れたので、こちらの記事の写真をお借りしました。
https://www.webchronos.net/features/73704/
1階は主にVCの時計の展示コーナー、2階は時計技師が常駐している談話スペースメインになっている感じです。
こちらでは2種類の現行モデルを見せてもらいました。
1つは「フィフティーシックス・オートマティック(青)」
https://www.vacheron-constantin.com/jp/ja/collections/fiftysix/4600e-000a-b487.html
もう1つは現行モデルの中ではサブリエに似たレトログラード機構を持つ「パトリモニー・レトログラード・デイ/デイト」です。
https://www.vacheron-constantin.com/jp/ja/collections/patrimony/4000u-000r-b110.html
フィフティーシックス・オートマティックはVCの中でも破格の低価格アイテム(それでも約180万円)で、私も気になっていたものになります。
実物を見るとこの青いダイヤルがいい色なんですよね。
しかしこれ、低価格+シーンを選ばず使えるという点からやはりかなり人気があるようで、予約すら受け付けられない状況とのこと。
年単位で待つことを覚悟して購入できるかどうか……らしいです。
パトリモニー・レトログラード・デイ/デイトに関しては、やはり真っ先に思ったのが「デカい、重い」
サイズが42.5mmのため、サブリエの大きさに慣れるとそれはもうデカいし重い。
あと日付だけでなく曜日もレトログラード機構なんですね。
日付も曜日もリューズだけで変えることができるのはやはり技術の進歩か。
(サブリエは日付と曜日はそれぞれ変更用のボタンがあり、それを押して変えていくタイプ)
パトリモニーはシンプルさを売りにしていることもあり、この時計も時間は全てバーインデックスになっています。
当然ジュネーブシールも取得しており、その価格は700万円超え。
私は大人しくサブリエさんと生きていきます……
コンシェルジュの方ともいろいろ話ができて、初見かつ予約なしで訪問したにも関わらずご丁寧に対応いただきありがとうございました。
チョコも美味しかったです。
