11月にクリスティアン・ヴァン・デル・クラーウ(CVDK)のCEO兼マスターウォッチメーカーのピム・コースラグ氏の来日イベントがあったので参加してきた。
CVDKは腕時計に天体の公転周期の機構を組み入れた「プラネタリウム」や3Dムーンフェイズを搭載した「リアルムーン」など、他ブランドでは見ないユニークな時計を生み出している独立時計メーカーである。
今回、ピム氏はCVDKの創業50周年特別モデル「グランド・プラネタリウム エキセントリック・マニファクチュール」の紹介・説明をおこなった。
CVDKの看板アイテムとも言うべき「プラネタリウム」は文字盤の6時位置に太陽系の水星から土星までの6天体の公転周期を再現した機構が組み込まれている。
すなわち、水星なら88日、火星なら687日、土星なら29.5年で1周する公転軌道を表示する。
正直これだけでも「29.5年で1周する機構とは?」という感じではあるのだが、「グランド・プラネタリウム エキセントリック・マニファクチュール」はそれをさらに超えてきた。
とうとう天王星と海王星まで追加してしまったのだ。

6時位置にあった機構が文字盤全体へと拡大され、惑星間の公転軌道も等間隔ではなく実際の軌道に則すようになった。
なお、天王星の公転周期は約84年、海王星に至っては約165年である。
もはや存命中に1周するのを見届けることはできないだろう。
また天体にもこだわりがあり、例えば地球は1.2mmサイズでありながら大陸や海はハンドペイントで描かれているとのこと。
アベンチュリンダイヤルと相まって、まさに縮尺した太陽系を時計にしたという感じである。
文字盤外周には黄道十二宮、カレンダーがあり、中心付近、地球の反対側には赤いマーカーを使ってプラネタリウムを合わせるのだとか。
ムーブメントの写真は撮り忘れたが、CVDKのロゴを模したセンターローターの、まさに天文時計らしい美しい仕上げが見れる。

講演の最後の質問タイムや、講演後のフリートークで何点か質問をした。
Q. これだけ複雑な機構だとムーブメントは手巻きの方が単純化できよいと思うが、何故自動巻きにしたのか?
A. 自動巻きならワインディングマシンに入れておけば止まらない。止まらなければ天体の位置を合わせる手間は少なくなる。ただ、止まっても天体の位置を合わせるやり方は難しも抑えられる。
Q. ムーブメントのパーツ数は?
A. 約360個
Q. これだけの複雑機構を積んでパワーリザーブ60時間はすごい。
A. 天体パーツは1日に1回しか動かないため。秒針のようにわずかでも常に動いていたらこうはいかない。
歯車の合計歯数こそ多い(3338個)ものの、ムーブメントのパーツ数自体は思っていた以上に少ないという印象だった。
さすがCVDK、今回も非常にロマン溢れる良い時計であった。